2011/03/09

J. M. クッツェーの顔がコインに!

南アフリカの「ミント・カンパニー」は1991年から毎年300枚の「プロテア」コインをつくってきた。1991年といえばネルソン・マンデラが解放された翌年である。コインのそれぞれの年のテーマがおもしろい。
 

 たとえば最初の1991年は「看護」、南アフリカにおける看護の歴史100年を祝って、だそうである。そのほかの主だったテーマをあげると、1996年が「憲法」、1997年が「女性」、1999年が「南アの鉱山業」、2000年が「ワイン醸造業」、2004年が「民主化10年」、さらに2005年は「ノーベル平和賞受賞者ルトゥーリ」、2006年「同ツツ主教」、さらに2007年の「マンデラとデクラーク」とノーベル平和賞がつづく。

 なんといってもおもしろいのは、その翌年2008年のテーマ「メイド・イン・南アフリカ」で、コインのイメージとなった人物は「マハトマ・ガンジー」。
 つまり、ガンジーは「南アフリカ産」なのである。この意味を知っている人は思わず、にやりとするはず。


 さてその翌年、つまり2010年にプロテアコインのイメージとなったのは「ノーベル賞作家のナディン・ゴーディマ」。シリーズは似たようなものがつづくとこれまでのテーマを見るとわかるから、2011年のテーマが作家、J.M.クッツェーであっても驚くにはあたらないだろう。

  とはいえ、オーストラリアへ移住してすでに9年になる彼も、故国南アフリカの金貨に彫られるのはの、まんざらではないだろうな。わざわざ在オーストラリアの南アフリカ高等弁務官、コレカ・ムクルワナがアデレードのアートギャラリーまで出向いてクッツェーにコインを手渡したというのだから。