![](http://1.bp.blogspot.com/_O1qYSIYq3ZM/S6SVSmAY8JI/AAAAAAAABGg/_DoYw20rpFk/s200/Dobet+1+A4.jpg)
ほかの催しに魅力がないわけではないのですが、なにしろ、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの長編『半分のぼった黄色い太陽』(8月刊行予定)のゲラ読みが佳境に入っていて、時間がたっぷりあるというわけにはいかなくて、というわけなのです。それでも、それでも、わくわくします!
先日、ドベについて書いた文章をここに転載して、イヴの気分を盛りあげましょう!
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![](http://3.bp.blogspot.com/_O1qYSIYq3ZM/S6SVc-ItCoI/AAAAAAAABGo/CbYw0fDe3BE/s200/1260531405-dobet_gnahore.jpg)
生い立ちがまた面白い。カメルーンの劇作家ウェレウェレ・リキン(2005年の野間アフリカ出版賞受賞)が1985年にアビジャン郊外に創設したアーティストコロニー、キ=イ・ムボックで育った。父は著名なドラマー。12歳のとき、学校からドロップアウトして音楽や演劇の道に進んだ。決定的な出会いは、コロニーへふらりとやってきたフランス人、コリン・ラロッシュ・ドゥ・フェリンと恋に落ちたこと。99年に渡仏した2人はバンドを組んで活動開始、数年後には押しも押されぬ存在になった。
![](http://4.bp.blogspot.com/_O1qYSIYq3ZM/S6SVnhqvJDI/AAAAAAAABGw/b6tGo16EFBE/s200/2661756018_7c784f138d.jpg)
「アフリカへ」という意味の先のアルバムに入っている曲は、ディダ語(お金/彼を信じて/教えて/追悼/虐殺)、マリンケ語(イッサ/一夫多妻/キイムボック讃辞)、コサ語(私の涙)、ウォロフ語(女たち/近親姦)、フォン語(泣かないで)、ゲレ語(私の息)、リンガラ語(略奪)、とアラビア語まで交えて多様な言語で歌われる。
アフリカで起きていることを歌う( )内のタイトルがなんともリアル。そう簡単に「ハクナマタタ(No problem!)」とはいかないのだ、と。
でも、ドベの歌を聴いていると、民族や国家におさまりきらない、パンアフリカンな現実を世界にむけて開いてみせる、しなやかな才能が確実に育っているのがよく分かる。力強い、媚びない、ドベのパフォーマンスは、本当に楽しみだ。
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(北海道新聞2月23日夕刊に掲載された記事に加筆しました。)