Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2011/11/15

朝のケープタウン──ケープタウン日記(1)

長いあいだ行ってみたいと思っていたケープタウンに来ています。

 ここしばらく、ケープタウン旅日記のようなものを書いていきます。朝の8時、通りはすでに車の音が激しくなってきました。街の中心に建った建物のなかにいます。
 長時間の飛行に耐えて(いやはや、本当に長かった!)ようやく到着したケープタウン空港、すでに機内から眼下に見えるカルーの風景に心が躍りましたが、到着から一夜明けて今朝、空の青さと、宿の窓から見えるテーブルマウンテンの奇怪な姿にあらためて息をのみます。

 これからクッツェーの生まれ育った街、そして、62歳まで暮らした街を少し見てまわります。この街はまたウィカムが書いた最初の短編小説集「You Can't Get Lost in Cape Town」の(付記:さらに現在、翻訳中の『デイヴィッドの物語』の半分ちかくの)舞台になった街でもあります。とにかく光が、空がきれいな春のケープタウンです。