Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2019/05/01

「ミセス 6月号」に4冊紹介しました

 雑誌「ミセス 6月号」が「こんなとき、こんな本」という特集を組んでいます。「私が勧める、とっておきの本」です。わたしも「複数のアフリカを知りたくなったら」と題して、アフリカ関連の4冊の本を推薦しました。写真の右上です。



 日本が80個すっぽり入ってしまう大きな大陸、それをたったひとつの呼び名で語る時代は終わりました。「アフリカ」と呼んでエキゾチックなベールをかける時代も終わりです。広大な土地にそれぞれの歴史をもった、さまざまな人が住んでいる土地に共通するのは、ヨーロッパ諸国による暴力的な植民地化の歴史です。複数の言語と多様な文化の絡まる、広大な大陸と奥深い世界へ誘う4冊です。

1)トレバー・ノア『生まれたことが犯罪!?』斎藤慎子訳(英治出版)
2)ノヴァイオレット・ブラワヨ『あたらしい名前』谷崎由依訳(早川書房)
3)ヴェロニク・タジョ『アヤンダ』村田はるせ訳(風濤社)
4)田中真知『たまたまザイール またコンゴ』(偕成社)

 アパルトヘイト時代の南アフリカで生まれ渡米して一躍有名キャスターになったトレバー・ノアの自伝『生まれたことが犯罪!?』、ジンバブウェのノヴァイオレット・ブラワヨの、子供の目から描かれた衝撃的な小説『あたらしい名前』、コートジヴォワールからはヴェロニク・タジョのパワフルな絵本『アヤンダ』、そして舟でコンゴ河を下る日本人男性、田中真知さんの冒険話です。

 ほかにも、面白いテーマがずらりならんでいます。「庭に出たくなる本」(梨木香歩)、「今すぐ鮨屋に走りたくなる本」(小泉武夫)、「新しい言語を学ぶ人に勧めたい本」(ヤマザキマリ)、「人を信じられなくなった時に読みたい本」(堀江敏幸)、それぞれ面白いツッコミで本を選んでいるそうそうたる方々、に混ぜてもらって光栄です。

 そして真下に「知識ゼロの人でも絶対面白いアメリカ文学」(都甲幸治)というのがあって、衝撃的!