Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2019/05/22

ビンニャヴァンガ・ワイナイナ逝く

火曜日夜というから、まだ昨日のことだ。ケニア出身の作家、ビンニャヴァンガ・ワイナイナが逝った。享年48歳。R.I.P.

2009.ラゴス
一昨年、南アフリカのソウェトへ移って、昨年12月に結婚式をあげたというニュースが流れたばかりだった。2014年にゲイであることを公表して、ゲイを法的に認めていない自国や、違法とするナイジェリアにも足を運んで活躍していたのに。アフリカでゲイであることをカミングアウトするのは、本当に命懸けの行動なのだ。

2011.サンタフェ
2002年にケイン賞を受賞したとき、次点だったチママンダ・ンゴズィ・アディーチェと友人になって、以来、アディーチェがラゴスで開くワークショップにゲスト作家として何度も参加していた。2009年にデイヴ・エガーズやジャッキー・ケイとならぶ写真では、みんなまだ若い。

 2011年に合州国のサンタフェでアディーチェとワイナイナが対談したときの動画もある。これが傑作だった。

ナイロビ、2013
また、2013年11月にケニアのナイロビで開かれた文学フェスにアディーチェが参加する写真も。

 そして、2015年にはPENワールドヴォイスでは、ディレクターをつとめたアディーチェがワイナイナとハグする写真など、このブログでも何度も登場した作家だった。

2015.PENワールドヴォイス
彼のピリ辛のエッセイ、HOW TO WRITE ABOUT AFRICA は雑誌GRANTAに掲載されて、ダントツのアクセス数を数えた文章だった。2013年の秋に、それを日本語に訳して雑誌に掲載しようと、ワイナイナと直接メールでやりとりしたのは、ちょうどナイロビでKWANI TRUST のフェスの真っ最中だった。忙しいのに、時間を見つけてアップテンポなメールをくれたことを思い出す。結局、エージェント経由でなんとか話がまとまったのはかなり時間がたってからで、くだんのエッセイの日本語訳は「神奈川大学評論 77号」(2014春号)に掲載された。

 心からの追悼の意を込めて、写真を何枚かアップしておく。