Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2016/12/29

フィクションなどスクラップしてしまえばいいじゃないか?

"If there were a better, clearer, shorter way of saying what the fiction says, then why not scrap the fiction?"──J. M. Coetzee

「もしもフィクションが伝えることを言うための、もっと良い、もっと明快な、もっと短い方法があるとするなら、フィクションなどスクラップしてしまえばいいじゃないか?」──J・M・クッツェー


プラハ作家フェス. 2016.10.18

 これは、J・M・クッツェーが2003年にノーベル文学賞を受賞したとき、デイヴィッド・アトウェルとのインタビューで語ったことばだ。(スウェーデンの新聞「ダーゲンズ・ニューへーテル」に掲載)
 作品をじっくり読まずに質問にくるジャーナリストや、あまりに的外れな読みをされつづけたクッツェーが、ある時期から自分の作品について「解説」したり「説明」したりは絶対にしないと決めた理由。けだし、名言である。

 今年、10月にプラハの作家フェスで朗読したときの写真を貼り付けて、2016年の締めにしよう。来年もまた、後半はクッツェーで明け暮れすることになりそうだから。