沖縄の辺野古。2015年最後の日は、この写真で締めたい。警官を見返す彼女の眼差しに、この表情に、見る人はどんなことを思うだろう。2015年、日本の敗戦から、沖縄の解放から、70年が経って今年85歳になった島袋文子さんの眼差しが見つめる先には? 見つめられているのは誰? それはわたしかもしれない、きみかもしれない。
翻訳とは──と1984年に初めて会ったとき藤本和子さんは言った──翻訳とは、たった一人でやりつづける文化運動のようなものだ。新しい年に向かって、絶望の畑に明日からまた種を蒔こう。北と南の半球から聞こえてくる声。まだまだ蒔きつづける希望の種は尽きない。