Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2015/12/16

2012.4.24の投稿がなぜか2015.12.16の日付に??──ローレルの花とオリヴァー・シュミッツ監督

曇り空がつづいたあと、からりと晴れて光がまぶしい。今年もローレルの花が咲いた。いつもより一週間ほど遅い。桜とおなじように。

 数年ぶりに書棚の整理をした。古いペーパー類も選り分けて捨てた。

 古い南アフリカ関連のファイルのなかから、映画「マパンツラ」の監督、オリヴァー・シュミッツさんの写真や手紙が出てきた。1990年にアップリンクが映画上映にさいして、監督を日本に招待した。彼がフリーの一日、当時の仲間と鎌倉山にのぼった。そのときの写真だ。オリヴァーさんの若いこと! もちろん、ほかの人たちも。

 クッツェーの『マイケル・K』の翻訳が出た翌年だった。オリヴァーさんはあの作品のことを、はにかみながら「I love it!」といった。電車のなかでつり革につかまった姿勢でそういった彼の横顔が、写真を見ていると、ありありとよみがえる。「友だちがあの作品を映画化しようとしたんだけれど、うまくいかなかった」とも語っていた。1960年生まれで、ケープタウン大学を出ている彼は、きっと、クッツェーの授業にも出ていたのだろうなあ。いまになってみれば、もっと話を聴いておけばよかったと悔やまれる。
 
 グーグルで検索してみると、新しい作品がいくつか出てきた。DVDになっている2本をさっそく注文した。「Hijack stories」と「Life, above all」だ。「なによりも、生命」は最近の南アフリカを描いた作品らしい。楽しみ!

 そういえば、まだネット書店もないあのころ、「なにか南アの本で必要なものがあったら送ってあげる」というご好意にあまえて、ズールー語の辞書を送ってもらった。分厚いその辞書はいまも手元にあって、ときどきお世話になっている。