ちょうど一年前の夏、このブログでもちょっとだけ書いたジュノ・ディアスの第二短編集『This is how you lose her』が、原著の発売からなんと一年後には日本語で読めるようになった。都甲幸治・久保尚美訳『こうしてお前は彼女にフラれる』(新潮社クレストブックス)である。
『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』に出てきたユニオールをおもな主人公にした短編集だ。9つの短編は、しかし、さまざまな角度から大きな物語に光をあてるような構成であり、書き方であり、登場人物の配置であり、と一見ばらばらな物語のように見えながら、大きな物語の複雑に入り組んだ細部を、念入りに読ませてくれる作品群だ。
内容についてはあえて、深くは触れない。ぜひ、手に取って、じかに、わくわくしながら読んでください。
わたしは仕事のあいまに、ひとつひとつ楽しみながら読んだ。すでに雑誌等に発表されたものもあったけれど、再度読んで、再度感心してしまった。面白い、どの行も、どの表現も。ディアスふぁんにはたまらない一冊なのだ。初めて読む人にとってだって、きっとそうだ。このテーマに対する、このアプローチはなかなかである。わたしは寡聞にして類書を知らない。
都甲幸治さんの訳者あとがきが、クリアな分析で作品の読解を助けてくれる。光の当て方がいいのだ。
エピグラフがサンドラ・シスネロスの詩からとられていることもあって、ご恵贈いただいた。Muchas gracias!
『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』に出てきたユニオールをおもな主人公にした短編集だ。9つの短編は、しかし、さまざまな角度から大きな物語に光をあてるような構成であり、書き方であり、登場人物の配置であり、と一見ばらばらな物語のように見えながら、大きな物語の複雑に入り組んだ細部を、念入りに読ませてくれる作品群だ。
内容についてはあえて、深くは触れない。ぜひ、手に取って、じかに、わくわくしながら読んでください。
わたしは仕事のあいまに、ひとつひとつ楽しみながら読んだ。すでに雑誌等に発表されたものもあったけれど、再度読んで、再度感心してしまった。面白い、どの行も、どの表現も。ディアスふぁんにはたまらない一冊なのだ。初めて読む人にとってだって、きっとそうだ。このテーマに対する、このアプローチはなかなかである。わたしは寡聞にして類書を知らない。
都甲幸治さんの訳者あとがきが、クリアな分析で作品の読解を助けてくれる。光の当て方がいいのだ。
エピグラフがサンドラ・シスネロスの詩からとられていることもあって、ご恵贈いただいた。Muchas gracias!