Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2013/03/28

甘酸っぱい春の味覚

 ウド、ワケギ、春はぬたの季節。京都に移り住んで、白みそが自在に手に入るようになったというMさんのブログを見て、ふいに思い出した。あ、そうだ、ぬただ!

 今夜は、わが家もぬた! といっても、ヤマウドを歩いて採集に行ける土地には住んでいないので、駅前の店から九条ネギと白みそを買ってきた。1950〜60年代に北海道に生まれ育った者には、白みそは「内地」から届く「都」のごちそうだった。めったに口には入らなかった。

 東京に出てきてから京都にも足を運ぶ機会があったり、小料理屋でたびたび食するようになって、ようやくわたしの料理のレパートリーにも入った。

 それでも、ヤマウドのぬたは母がよく作ってくれた、わたしのぬたの原点だ。北海道のウドは緑色いっぱいに育った野生種で、あくも強かったなあ。おまけに当時は、手に入るのは自家製味噌か、しっかり茶色い信州味噌だけ。それでも、甘酸っぱい味噌の味は、ちいさいころから大好きだった。「酢みそ」と呼んでいた。懐かしい春の味覚だ。