Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2013/03/19

夕暮れに咲くモクレン


初夏なみの暖かさのなか、ひと仕事終えて、暮れはじめた屋外へ散歩に出る。今日はモクレンに会いにいった。

 昨年は時期を逸して、嵐のあと雨に打たれた黄ばんだ花しか見ることができなかった。不義理をした。今年はきみの盛りの時期を、ほら、ちゃんと写真におさめたよ。
 美しく、白く、まさに咲き誇るということばがぴったりのモクレンの大木。

折しも、福島の第一原発は電源が失われ、原子炉の冷却がストップ、いまだ収拾つかず、というニュースがあちこちから流れてくる。

 自然から、Law of Nature の倫理から、はぐれてしまった人間のいまに、どう対処すればいいのか。モクレンが教えてくれるわけもないが、この美しい花を見ていると、なぜか、すさみかける心が満ちてくる。なんという不思議、妙味。美を感じる心はどんなときも必要だというのは真実、とあらためて思う瞬間だ。