Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2012/10/13

砂に消えた涙 by 弘田三枝子

今日、訳していた文章のなかに corazón de melón ということばが出てきたので、あれ、どこかで聞いたことがあるなあ、と思って調べてみると、むかしむかし流行った曲の名前じゃないか、そう、日本では森山加代子がヒットさせた曲だ。「コラソン・デ・メロン・デ・メロン・メロン、メロン、メロン・メロン」で始まる、あの曲だ。
 YOUTUBE でいろいろ見ていると、つぎつぎに懐かしい曲が出てきて、芋づる式。ついに、この曲に行き当たった。

「砂に消えた涙」

 ミーナの曲だというのは知っていたけれど、なんといっても最初に聞いたのは弘田三枝子の歌でだったし、60年代の初めに出てきたシンガーで、弘田三枝子を超えるリズム感をもっていた人をわたしは知らない。

(付記:2013.11.8──リンクしておいたYOUTUBEがなくなったので、こちらで

 文句なく、これは懐かしい。いま聴いても古くない。その後、東京で大晦日に新宿厚生年金会館で開かれた恒例のジャズフェスティヴァルに、「人形の家」でレコード大賞を獲ったばかりの弘田三枝子がやってきて歌ったのを、いちばん前の列に座って、間近に見て、聴いたことがあったけれど、さすが、と思ったな。

 当時、いっぱしのジャズ通たちは、こんなのは歌謡曲にすぎない、と馬鹿にしていたけれど、わたしはこの人の歌の力はすごいと当時も思ったし、すごかったといまも思う。

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付記:それにしても、歌詞はしょうもないね/笑。とりわけ当時の売れっ子作詞家の手になる「人形の家」の歌詞のひどさは耳を覆う。60年代、60年代って懐かしがってるけれど、リブやフェミが生まれた土壌を考えるための参考テクストにはなりますかね。