ちょっと音質がわるくて聞きづらいところがありますが、赤、ピンク、金色といった極彩色の背景のなかで、インドの神様の彫刻がほどこされた椅子に座るクッツェー、というのもなかなか面白い光景です。
クッツェーの右手に腰をおろして、作家を紹介し、「Youth」からマダム・ボヴァリーが出てくる章を少し朗読するのはイギリスの作家/歴史家、パトリック・フレンチ。
クッツェーが朗読する作品は、ローマカトリックの信仰を背景に、動物に魂はあるのか、という問題をスペインの廃村に住む老女性作家と、それを訪ねる息子との会話という形式で浮上させるものです。45分ノンストップで朗読するクッツェーの声を、芝生の上で聞き入るジャイプールの聴衆、これもなかなか興味深い。お楽しみください。