現在、南アフリカ出身の作家、J.M.クッツェーが1990年に発表した小説『鉄の時代/Age of Iron』を訳しています。クッツェー作品の翻訳は、本邦初訳の『マイケル・K』(1989年、筑摩書房)からはじまり、『
少年時代』(1999年、みすず書房)についで三冊目──『
マイケル・K』については全面改訳版が昨年8月、ちくま文庫に入りました。
昨年9月にクッツェー氏が初来日したとき、実際にお目にかかっていろいろお話をすることができたためか、作品に登場する人物の声がよりいっそう、くっきりと聞こえてくるようになりました。翻訳をする者にとって、これはとても大きな助けになります。