Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2019/02/13

J・M・クッツェー作品の電子化が進んでいる

しばらく前から、じわじわっと来てるな、来てるな、とは思っていたけれど、今朝しらべてみて、おおおっ! と声をあげてしまった。

 J. M.クッツェーの小説のほぼすべての作品がKindleになっているのだ。英語のオリジナル版のことだけど。オースターとの往復書簡集『ヒア・アンド・ナウ』も! イエスの連作は2冊とも! 自伝的三部作もそれぞれ単独版はまだのようだけれど、3作1巻本はKindle化されている。
 
 例外は Diary of a Bad Year。あの三段ポリフォニックのレイアウトを電子版にする技術はまだ開発されていないのかもしれない。
  以前、電子版になったものをダウンロードしたけれど、ちょっと悲惨だった。3段の中身がごっちゃになってしまい、切れ目がわからないのだ。しかしよく調べてみるとこの作品はスペイン語版は電子化されている! う〜ん、買ってみないとどんなレイアウトになっているのかわからないけれど、できないわけじゃないんだな。

 エッセイ集はどうかな、と見てみると、なんと最新エッセイ集Late Essays までKindle化されている。それ以前のエッセイ集では、検閲制度について論じたGiving Offense のKindle版が出ているが、そのほかはどうやらまだらしい。でも、おそらく、順次そうなっていくのではないか。
 初期の Doubling the Point や White Writing が早く電子化されないかなあ──と。小さな活字がだんだん苦手になってきた身としては期待がつのる。