Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2018/07/29

アトランタで歌うニーナ・シモン

1969年6月アトランタのモアハウス・カレッジで To be Young, Gifted and Black を歌うニーナ・シモン。「若く、才能にあふれ、そして黒人で」──この曲は1965年に34歳という若さでガンで死亡したロレーン・ハンズベリーの、同名の劇作からヒントを得てニーナ・シモンが作曲した歌だ。ロレーンに捧げられているが、これからの若い黒人たちを力づける強いメッセージを伝えてもいる。




 演奏のあとの聴衆の表情をみると、ニーナ・シモンという歌手が黒人たちにどれほどの勇気と、喜びをあたえつづけた人であったかが、じんじんと伝わってくる。

 手元にあるCD"BLACK GOLD"(BMGファンハウス)というアルバムに収められているが、日本語の曲名が「黒人讃歌」などという、ほとんど何も伝えないタイトルになっているのはなぜか? 上っ面の紹介しか書かれていないことにも憤懣がつのる。ライナーノーツの筆者は、岩浪洋三氏。CDが再発売されたのは2002年だというのに、とても残念だ。