Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2013/08/10

ターン:dress after dress 最終回

 机上の温度計は、33.2度。
 中村和恵さんのweb-heibonの連載「dress after dress」が今回で最終回を迎えました。

 今回は「ターン」がテーマ。まわること。くるり、くるり。自分の位置も、目の位置も。練習すれば変わるのよ。床にしっかり軸立てて、思考の軸も立てれば、くるり、自由になるの。

 バレエ、ダンス、体育、鉄棒、跳び箱、いろんなワードが出てくるけれど、やっぱり最後は、だれが、なにを、どうするか、って話ね。あいまいな日本語に蹴りを入れる和恵ねえさんの、身を切るような鋭いことばは、しかし、愛がいっぱいよ。批評は愛がなくちゃね。攻撃だけでは自分の醜さだけが目立ちますよ、それは批評とはいえないの。
 
 ターンは、練習すればできるって。そうよ、頭のターンだって、本を読めば、しっかり読めば、あるいは・・・ですからね。軸なし人間にならないように。人からどう見られるかばかり気にする人が、自分とは異なる人を攻撃する、その暴力性は何度だって指摘したいわね。

 かくして、中村さんの小気味よい文体は、読む者に伝染し、心地よい模倣文体でこうしてブログ書いてるわたしの気分は、いともハッピーであります。
 とにかく、読んで。最終回よ。あらら。

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2014/5/3   遅ればせながら、3月に中村和恵さんの『dress after dress』が本になりました。傑作です! お薦めします。
その時点で、おそらく、web-heibon のリンクがなくなりましたので、ぜひ本を手に取って、興味津々の、愛に満ちた批判の力を楽しんでください。