Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2011/06/02

岬をまわり、橋をわたる/放射能時代の食生活

 ちょっとお休みしていた「水牛」に詩を書きました。「岬をまわり、橋をわたる

 そうそう、今月の「水牛」には森下ヒバリさんの「放射能時代の食生活2」という文章があって、さすがヒバリさん! 「アジアのごはん」を連載してきた彼女が、いまとっても必要な情報をコンパクトにまとめてくれました。
 野菜のこと、海藻や魚介類のこと、どうしたら放射能物質を避けることができるか、なにをめやすに食べ物を選び、生活をすればいいか。参考となる書籍も紹介されています。
 
 政府などが発表する「基準値」なるものは、影響を受ける個体差がまったく考慮されていない数値であることを肝に銘じておかなければなりません。乳幼児もさることながら、おなじ大人でも敏感に反応する体質の人(一派には虚弱といわれます)と鈍い人(頑強と呼ばれます)では、影響に大きな差があります。
 もちろん放射能による影響も、この感度の鋭い人から先に出ます。つまり細胞が傷ついて、まず体調不良になる、具合がわるくなる、10年以上経過して「白血病」や「がん」になるまでに何年ものあいだ、何層にわたるグレーゾーンがあることは、基準値だけからはわからない。つまり「想定外」なのですね、いつも。こういう「統計」の非情はホントニ腹立たしく、悲しい。

 その辺の現実と統計の認識のゆがみを視覚化したものがあります。とてもわかりやすい。「現実 vs データ 卓上で希釈される放射能」というこの図解は、白か黒かという二分法がいかに暴力的な「とりあえず」であるかを語っています。「単位で白黒をつける職業も必要である反面、自然界には時間も放射能も単位は存在しません。あるのは命の循環だけです」と結ばれることばに励まされます。
        ↓
  http://e22.com/atom2/avg.htm


 さてさて、7月3日に開催される「ことばのボトラック vol.3」にむけて、着々と準備が進んでいます。
 「詩の朗読」がメインですが、ずいぶん多彩な人たちが出演してくれることになりました。入場料(ランチ付き)から経費を差し引いた金額を(出演者はノーギャラ)、震災の救援活動をしている信頼できるグループに寄付します。
 歌あり、一人芝居あり、ほかにもなにが飛び出すかちょっとわからない、わくわく、どきどきです。

 3.11のあと、時を置かずに開かれた第一回は充実したイベントでした。東京FMでも放送され、もうすぐ冊子になります。ジュンク堂池袋店9Fで13日から開かれる、大竹昭子さんの企画展「カタリココと私」で「ことばのポトラック」コーナーにならべられることになっています。詳細はまた。

 第一回から第三回へ飛びましたが、第二回もかのうよしこさんの歌がたっぷり聴けるすてきなイベントです。
 これも見逃せない、いや、聞き逃せないなあ。

付記:美しい芍薬の写真は今回もまたネットから拝借しました! あしからず。