雑誌「ユリイカ」3月号に「新しい世界文学」という特集が組まれています。とても刺激的な「若島正 × 管啓次郎 × 桜庭一樹」の鼎談が載っています。
それぞれがお気に入りの翻訳文学を3冊あげています。桜庭一樹さんのお気に入りに、C・N・アディーチェの『アメリカにいる、きみ』が入りました。嬉しい! 桜庭さんのコメントはこうです。
「この三冊は、ぼんやりと読み終わったはずなのに、一晩寝たら、頭の中で本が暴れだして強く記憶に残った。こんなふうに、読者をたぶらかしてくれる作家がわたしは好きだなー。」
「たぶらかして」のところに傍点がふられているのが、とってもステキです。ちなみに他の二冊は、アリス・マンロー『林檎の木の下で』とスティーヴン・ミルハウザー『ナイフ投げ師』です。
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また「論座」4月号には、児童文学翻訳家の清水眞砂子さんの書評が掲載されました。
「やっと内部の声が聞けた。本書を読んで、まず思ったのがこのことだった。はじめて知る内部の目、感覚。」とはじまり、この短編集の最後におさめられた「ママ・ウクウの神さま」にふれて、「キリスト教が入ってくる前の神。『文学』に括られる前の世界。この豊饒に私はゆっくりと心身が解放されていくのを覚えた。」と結ばれています。
じっくりと読んで、書いてくださっているのが伝わってくる評で、心にしみました。Muchas gracias!!