Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2014/08/15

『ヒア・アンド・ナウ』── 今日もゲラ読み!

 長年、エアコンを使っていない。机上の温度計は30度を越している。外は蝉しぐれ。

 窓に面した机の上でB4サイズの再校ゲラのページが、書き込みをするたびに腕の下で湿っていく。窓からの風があるのが救いだ。

 こんな夏をいくつも越してきた。この夏を越せば、ポール・オースターと J・M・クッツェーの往復書簡集『ヒア・アンド・ナウ』(岩波書店刊予定)ができあがるはずだ。ユダヤ系移民の系譜のポール・オースターとオランダ系移民の系譜のジョン・クッツェーの、パレスチナ/イスラエル問題への発言も、2011年までのものとはいえ、しっかり含まれている。世界情勢へのこの2人のスタンスの違いも、ちらりちらりと垣間見える。
 しかし、なんといっても面白いのは作家としての「書くこと」への態度の違いだ。というか、手紙をやりとりしていて明らかになっていく、それぞれの作家としての特徴だ。そこがだんとつに面白い。
 夏の仕込みと秋の収穫。9月26日が発売予定だ。あときっかり6週間の道のり。

 わたしが生まれる4年と5カ月前に終った戦争の、69回目の敗戦記念日に。