Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2014/01/23

カミングアウトしたビニャヴァンガ・ワイナイナ

このところアフリカ大陸で勢いを増している、アンチ・ゲイの風潮に抗して、ケニア出身で、2002年のケイン賞受賞作家、ビニャヴァンガ・ワイナイナがこんな動画をアップしています。



 これは全6本のうちの1本です。

 さきごろナイジェリアで反ゲイ法に大統領が署名したり(14年の懲役!!!)、ウガンダで大統領が世界的な抗議のため一時ひっこめた法律を、国会議員たちが昨年12月にまた議会を通過させたり(死刑!!!!!  ヨウェリ・ムセゲニ大統領がふたたび拒否権を発揮したが.....)、このところアフリカ大陸全体に、目に見えたかたちの広がりをみせる「ホモフォビア」。これは子供たちの想像力をはばたかせるためには植民地主義とおなじくらい有害だ、とワイナイナが YOU TUBE にアップした動画で示唆している、と述べるのはこのサイト


 それに先立ち、英国の「ガーディアン」に記事が載りました。そこでワイナイナは、僕はパンアフリカにストだ、しょっちゅう訪問しているナイジェリアには、これまで通り行くつもりだけれど、それが「冒険」になってしまった、と述べています。彼はバード・カレッジのチヌア・アチェベセンターのディレクターで、昨年からケニアに戻りナイロビに住んでいるようです。この記事からは彼が自著『One Day I Will Write About This Place』には入れなかった、母親の臨終のベッドで彼が吐露する「short story」に飛べるようになっています。この話は心打たれます。

 ナイジェリア出身のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェは、「ホモセクシュアルはヨーロッパ白人がアフリカに持ち込んだものだ、と主張する人がいるけれど、それは違う、アフリカにもずっと前からあったものだ、大事なのは愛だ」ときっぱり。

 ワイナイナについては、「神奈川大学評論」の3月刊行号に「アフリカのことをどう書くか/How to Write About Africa」という、彼の辛口エッセイが載ります。