Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2012/12/16

バッハの無伴奏チェロ組曲 ── 今夜はこれ!

 チェロはピエール・フルニエ。録音は1977年、ジュネーヴ。

 その前に持っていたアルヒーフ版の3昧組のLPは、学生時代に買ったもの。モノラル録音をステレオにしたらしく、さすがに音がよくなかったけれど、真冬になると、縁を糸でかがった、文字だけが書いてあるシンプルなクリーム色のジャケットから引っ張り出して、よく聴いた。録音はLPのレーベルに、1960年12月20日と書かれている。ドイツ原盤。

 いまかけている写真の2枚は、CDになってから買い替えたものだけれど、これもよく聴いた。その後、もっと軽くて、楽しい演奏のマイスキーのものをかけることが多かった。90年代だ。でも、先日かけてみるとどうも違うな、という気がした。今夜、フルニエをかけて、いまは絶対にこれだと思った。しっくりくる。

 音楽のほうは変わっていないのだから、聴く者の変化が大きいのだろう。こんなふうに時代はめぐり、耳が求めるものもめぐり、めぐるのだなと思う。

 文学作品にしても、それはおなじかもしれない。何年も前に書かれた作品がふたたび読まれるようになって、新たな読者とめぐりあうこともあるのだ。新刊ばかりがすべてじゃない。
 それにしても、この国は「内破」しようとしているのだろうか?

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付記:さあ、気分を切り替えて、明日からはまた仕事! 自分のできることをやるだけだ!