
「ハイチ シテソレイユを訪ねた。子供の頃から知っている女性は、今や母親。双子の幼児に母乳を同時に与えていた。圧巻!たくましい!」──佐藤文則さん撮影&コメント。
ほかのサイトでも紹介しましたが、とってもすてきな、かっこいい写真なので、こちらでも!
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付記:「welcome-life」を唱えるブログ管理者は、さまざまな条件付きですが、あくまで「pro-choice」ですので、誤解なきよう!

昨年9月に来日したチママンダ・ンゴズィ・アディーチェさんが、いま発売中の「文藝」2011年春号「池澤夏樹特集」で対談しています。お相手はもちろん池澤夏樹さん! 中身の濃い対談です。
2010年1月12日、大地震がハイチを襲ってから明日でちょうど一年になる。
ハイチに数多くあるもののひとつ、この死という中断によって、二十万人の魂が昨年の一月十二日の地震のためにアンバ・ドロ(水の下)へ行ってしまった。しかし彼らの肉体は他所にあった。多くは家、学校、仕事場、教会、ビューティーパーラーの瓦礫の下に埋もれていた。多くはブルドーザーのパワーショベルによって共同墓地に放り込まれたまま。がらくたを集めて燃やす焚き火のように燃やされたものも多い。生者に感染症がうつるのを恐れて・・・。
この本は歴史学者が書いたものですが、堅苦しいところはあまりなく、図版も豊富に使われています。本扉を開くと図版の説明があり、そのつぎに「DRAMATIS PERSONAE/登場人物」と銘打たれたページがもうけられています。これが面白い!
Sara Baartman and the Hottentot Venus : A Ghost Story and a Biography, by Crais & Scully : Princeton,2009
付記:1770年代に南アフリカで生まれたサラ・バートマンという女性と、彼女をもとにしてヨーロッパ近代がどのようなイメージを作り上げたか、その結果どんな価値観が成立していったか、そのプロセスを知る手がかりとして、吉見俊哉著『博覧会の政治学/まなざしの近代』はとても役立つ、というか必読書に近いかもしれません。
今年もまたゾーイ・ウィカムの『デイヴィッドの物語』です。主人公はクッツェーの『Disgrace/恥辱』に登場する人物とおなじ名前のデイヴィッド、舞台が南アフリカのケープタウンと東ケープ州であることもおなじですが、こちらは「カラード」と呼ばれた人たちのなかでも先住民族「グリクワ」にオリジンを持つ人たちの話です。(「ホッテントット・ヴィーナス」としてヨーロッパ人の見せ物にされたサラ・バートマンの話も、彼女の遺体を解剖して標本にした医師キュヴィエの話も皮肉たっぷりに登場します。)
さらに今年は、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの日本オリジナル短編集第二弾も進行中です。