出ていたんですねえ! さっそく買いました。今朝、注文して、夕方には手元に届くところがなんともすごい。日本の、いや、東京だけだと思うけれど、このスピードはすごい。なんというか・・・。アフリカのポレポレタイムの対極!
一昨日もおなじ版元の本、いや雑誌の話だったけれど、これはまったくの偶然。
「アフリカ」をやってる人で、この事典の存在を知らない人はいないし、固有名詞や歴史状況などこの事典を調べない人はいないだろうな、と思う。翻訳やっていて、Google もない時代、この事典にどれほどお世話になったかは、もう計り知れない。いまも、細かなことはやっぱり確認のためにひく。ただ、初版が1989年で、改訂新版が1999年、そろそろ新しい情報がほしいなあ、と思っていたところで、やっぱり出ましたね、ほぼ10年後に。ありがたい!
さっそく「南アフリカ」の項をぱらぱらする。おお、ズマ政権まで記述されている(まあ、当然か)。もうひとつ、おお、と思ったのは「ンクルマ/Nkrumah」だ。いわずと知れたガーナの初代首相、初代大統領。長いあいだ「エンクルマ」と表記されてきた名前が、ついに「ンクルマ」になった。
「n」で始まるアフリカ人の名を日本語のカタカナで表記するとき、むかしは苦しまぎれに「エン」とつけたけれど、最近はアフリカにはざらにある名前のかたちと知られるようになったからか、「ン」でそのまま表記することが多くなった。たとえばチママンダ・ンゴズィ・アディーチェの「ンゴズィ」は Ngozi のカタカナ表記。本当はちいさな弱拍の「ン」なんだけれど、この文字を小さく表記することは日本語では一般的ではないので、いたしかたなく「ン」のまま。
とにかく、ぎっしり、みっちり情報が詰まっている。表紙はかの有名な、ティンガティンガ。しばらくはこの一冊で遊べる。
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付記:しかし、新たに見出し語として加わったチヌア・アチェベの代表作「Things Fall Apart」が「部族崩壊」となっているのは解せない。おおむかし「クッツェー」を「コーツィー」と紹介した人が命名したものと聞いているが、『崩れゆく絆』としてようやく定着してきたところだったのに、残念だ。