Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2010/11/26

Nefeli's Tango/Here Comes the Sun など

このところ音楽のことを書いていない。最後に書いてからもうずいぶんになる。なぜか?
 答えは簡単、あまり聴いていなかったからだ。いつのまにか遠ざかっていた。それほど今年の夏は暑く、それにつづく秋も、さまざまな理由でゆっくり音楽を聴く時間に恵まれなかった。

 音楽を耳に注がない時間が長くなると、心が渇いてくる。放っておくと渇いた心がひび割れる。今年は、ひびが入る寸前まで行ったような気がする。ようやくそこから抜けることができた。ある「事件」のおかげだ。

 2日ほど前のことだ。あるパーティーで思いがけず音楽が流れてきた。50代の1人の男性がこぶりのギターをかかえて歌いだした。クラシックギターをふたまわりほど小さくしたギターにスチール弦をはったものだった(せっかくそのギターの名前を教えてもらったのに、もう忘れている/涙)。もう1人の男性が加わってデュエット。曲は60年代のS&G(もちろんよく知っている曲なのだけれど、曲名が思い出せない!)、そして2曲めはビートルズの "Here Comes the Sun" だった。
 一気に飛んだ。時間がぐんぐん遡って、くらくらするような渦のなかにいた。なにかがほぐれていった。

 今日はひさしぶりにCDをかけている。ハリス・アレクシウの「Nefeli's Tango」。昨年の夏、毎日、毎日『半分のぼった黄色い太陽』の翻訳と格闘していたとき、よく聴いた曲だ。でもそのときはCDではなく、YOUTUBE にアップされた、美しい、ギリシャのスコペロス島の映像といっしょだった。バックがこの曲 "Nefeli's Tango" だったのだ。おかげで猛暑と缶詰仕事を乗り切ることができた。

 音楽に感謝! そして音楽を愛する人たちにも、深く感謝!!

(ちなみに、上の写真は、ニーナ・シモンの有名なアルバム「Here Comes the Sun」)