答えは簡単、あまり聴いていなかったからだ。いつのまにか遠ざかっていた。それほど今年の夏は暑く、それにつづく秋も、さまざまな理由でゆっくり音楽を聴く時間に恵まれなかった。
音楽を耳に注がない時間が長くなると、心が渇いてくる。放っておくと渇いた心がひび割れる。今年は、ひびが入る寸前まで行ったような気がする。ようやくそこから抜けることができた。ある「事件」のおかげだ。
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一気に飛んだ。時間がぐんぐん遡って、くらくらするような渦のなかにいた。なにかがほぐれていった。
今日はひさしぶりにCDをかけている。ハリス・アレクシウの「Nefeli's Tango」。昨年の夏、毎日、毎日『半分のぼった黄色い太陽』の翻訳と格闘していたとき、よく聴いた曲だ。でもそのときはCDではなく、YOUTUBE にアップされた、美しい、ギリシャのスコペロス島の映像といっしょだった。バックがこの曲 "Nefeli's Tango" だったのだ。おかげで猛暑と缶詰仕事を乗り切ることができた。
音楽に感謝! そして音楽を愛する人たちにも、深く感謝!!
(ちなみに、上の写真は、ニーナ・シモンの有名なアルバム「Here Comes the Sun」)