2025/12/25

本が2冊いっぺんに届いたんだよ、メリー・クリスマス! 

 今日はクリスマス!

 幼いころは両親や兄といっしょに教会へ行ったクリスマス。 

 父が山奥から、雪まみれの大きな木を掘り出してきて、大樽に生けて部屋の隅に置いた🎄 
50年代の田舎には大きな植木鉢は滅多に手に入らなかったんだろうな。その木の枝に綿をのせて、キラキラの星やモールや、ささやかな手作りの飾りをぶら下げた。母も張り切ってチカチカ点滅する電飾を買ってきて、木のてっぺんから垂らした。天井の照明を消して、じっとそのチカチカを見たっけな。

 晴れた朝、雪道を歩いて隣町の教会へ行った。わたしは子供のクリスマス会で、頭にコサージュなんかつけて、ほかの男の子と「ごあいさつ」をやったんだ。でもその子は、言わなきゃならないことばを途中で忘れてしまって、ずっとハイソックスをひっぱりあげてる。隣のわたしは(たぶん4歳くらい)ヤキモキやきもき、どうしていいのかわからないまま、これが永遠に続くのかと絶望的な気持ちになった。

 人前で話をするのが苦手なのは、このときの体験のせいだ!

 もうクリスマスに教会に行く習慣はないけれど、書籍みほんが2冊いっぺんに届いて、これはクリスマスプレゼントだな思うことにした🎄🎁🎄🎁🎄🎁

 一冊めは、久野量一・千葉敏之・真島一郎編『生を見つめる翻訳⎯世界の深部をひらいた150年』。東京外国語大学出版会から刊行された33のエッセイ/論考と4つのインタビューが入っている鈍器本。分厚い、重たい、内容がすごい!

 わたしのエッセイ「J・M・クッツェー翻訳の長い旅」は、原稿を一年以上前に渡してあったので、新刊のクッツェー本の情報が入ってない。ちょっと残念。ゲラは忘れたころに断続的にパラ、パラっと送られてきて、そのたびにハラ、ハラっとお返しした。大きく手を入れることなく編集校閲の指摘部分だけ直した。

 目次では、沼野恭子さんと宇野和美さんにはさまれて、しごく幸せそうな、ひらかなの名前が並んでいる。

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 さて。届いた二冊めは、来年1月7日に発売予定のチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』の文庫(河出書房新社)。初めて「フェミニズム」なる言葉に触れる人に読んでほしい本だ。

 後半には『イジェアウェレへ  フェミニスト宣言、15の提案』も入っていて、アディーチェの考えがエッセンシャルな言葉で簡潔にまとめられている。

 今回あとがきにも書いたけれど「前半は、フェミニズムってそういうことかと理解するための基礎入門編。後半は、家事や育児ケアなど具体的な場面を想定した応用実践編」という組み合わせになっている。

 こんな混迷と停滞の時代だからこそ、そもそもフェミニズムってなんだったっけ?と初心に戻ってみるのも悪くないはず。16歳くらいから読めるフェミニズムの本です。