Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2019/01/25

『イジェアウェレへ』について語るアディーチェ

暮れから引き込んだ鼻風邪がお正月まで尾を引いて、お正月があけたら次にギクリと腰に痛みが走って......なんともさえない2019年の始まりでしたが、やっと抜けたかな、という感じです。外はまだ寒いけれど、紅梅も咲き出して、春はすぐそこまでやってきている気配。枯れ木の枝と枝のあいだを甲高い声を響かせて百舌が行き交っています。
 
 ようやくチママンダ・ンゴズィ・アディーチェ著『イジェアウェレへ/Dear Ijeawele, or a Feminist Manifesto in Fifteen Suggestions』の訳文みなおしを終えて、書籍化への本格的な作業が動きはじめました。いまグーグルで調べて知ったのですが、Ijeawele という名前はイボの女性の名前で、意味は「A Smooth Journey」あるいは「Safe Journey」だとか。へえ、そうだったんだ。すんなりと行く旅。安全な旅。おかしいのはGoogle翻訳では「Online」になっちゃうこと😆。



 アメリカでこの本が出版されたときの動画をここに埋め込みます。2017年春ころでしょうか。Bustle and Strand Bookstore で。
 日本語訳が「早稲田文学」に掲載されてから時間がたちましたが、そのあいだもアディーチェは行動範囲をぐんぐん広げ、つい最近はロンドンでのミシェル・オバマの自伝出版記念イベントで対話の相手をしたりしています。ステージにあがるたびにナイジェリアのデザイナーたちの奇抜な衣装を身につけ、ヘアスタイルも次々と変えて。世界を駆け巡るチママンダの姿は眩しいばかり。
 日本にアディーチェを紹介したのが2005年の北海道新聞のコラムでしたが、あれからすでに14年。まさに光陰矢の如しです。