Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2018/09/25

サンティアゴでJ・M・クッツェーがスピーチ

9月24日、チリのサンティアゴでJ・M・クッツェーの名前を冠した短編賞の授賞式が行われた。 「都市とことば」がテーマで、応募資格は18歳まで。そのためか、会場は若い聴衆でぎっしりだ。

 授賞式のようす

 最終受賞者はフェルナンド・シルバ、18歳だけれど、その発表の前に次点、佳作などなど、何人もの応募者の名前をあげて奨励しているところが、とても印象的だ。

 クッツェーのスピーチは「小さな汽車」という作文で7歳のときに初めてもらった賞のこと、ノーベル文学賞をスウェーデン国王から手渡されたときのこと、さらにチリの2人のノーベル文学賞受賞者、ガブリエラ・ミストラル(受賞1945)とパブロ・ネルーダ(受賞1971)について語ったと伝えられる。

”自分がオーストラリアのアデレードからやってきたのは、ガブリエラ・ミストラルとパブロ・ネルーダというチリの2人の作家について語るためで、ネルーダもミストラルも、詩人になることを運命づけられた自分たちの創造力と信念を疑うことがなかった。

 ミストラルはチリ紙幣にもなっている女性詩人で、彼女が死んだときは国葬になり、政府は3日間の喪に服するとしたが、一方のネルーダが受賞したときこの詩人は政府から敵とみなされていたため国葬はなかった”

 そして最後にクッツェーは若い聴衆に向かって、忘れずにこう付け加えた。

──この2人の詩人はともに、地方に住む、裕福ではない家族の出身だった。

 いかにもジョン・クッツェーらしいコメントです。
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付記:9.25.23:37──ジョン・クッツェーが若い人に笑いかける表情がとてもいいな。元気そうだし。

 チリを訪れるのはこれで7回目だとか。
 今回は終始、笑顔ですね。


 (ここに書いたことはリンク先のスペイン語の記事をGoogle英訳したものに基づいています。)