嬉しいニュースだ。さきほど芥川賞と直木賞の発表があった。
芥川賞は、小野正嗣さんの『九年前の祈り』
直木賞は、西加奈子さんの『サラバ!』
おめでとうございます。そうだったらいいなあ、と思っていたので、あまりにもその希望通りになったので、ちょっと驚き! 嬉しい! お祝いがてらに、勝手ながら、クッツェーやアディーチェがらみのエピソードを少しご披露させていただこう。
小野正嗣さんは最近、クッツェーの自伝的三部作『サマータイム、青年時代、少年時代』を紹介したり、オースターとの往復書簡集『ヒア・アンド・ナウ』の書評を書いてくれたばかりだ。西加奈子さんは以前、アディーチェの最初の短編集『アメリカにいる、きみ』をNHK週刊ブックレビューで「いちおし」してくれた方だ。2013年に毎日新聞にアディーチェの「シングルストーリー」をめぐる記事が載ったこともあった。西加奈子さんはアディーチェと同年生れなのだ。
昨年の6月、ノリッジの文学祭を訪れた小野さんは、参加者の一人だった J・M・クッツェーと会って、話をしたとか。小野さんの『ヒア・アンド・ナウ』の書評を英訳してクッツェーさんに送ったら、「彼と会ったことはよく覚えています。ポールにこの書評を転送しました」と返事が来たところだった。(もうひとつ、ぐっと深くまで読み込んだ、力のこもった書評を書いてくれたのが、あの、都甲幸治さんだった! 西加奈子さんとの対談イベントに行けなかったことは、返す返すも残念!)