叢書 群島詩人の十字路、というシリーズの一冊として、「水牛」の編集長、八巻美恵さんの編集で出たのがこの本だ。
八巻美恵編『ジット・プミサク/中屋幸吉 詩選』(サウダージ・ブックス 1200円)
いただいて、集中して読むために場所を選んだ。これは、いつも仕事をしている机に向かって読むのは、ちょっとちがうな、と思わせる本だから。そして、一気に読んだ。窓から、解け残る雪が見える場所で。
1960年代のタイと、1960年代の沖縄と日本。生まれた年はちがうけれど、没年が同年というふたりの詩人を結びつける不思議な糸、いや、不思議ということばはあたっていない。それぞれの詩人の紡ぎ出したことばたちがならぶようすは、八巻美恵という編集人のたどる「ハワイ」への旅に導かれて読むとき、十分に必然的な気がする。
そして時代を突き抜けて、いま、読み手の深いところへ届けられるものたち。そこで立ち止まり、ときの重力から解放されて浮上することばたち。そう。怖れることはないのだ。人が生きる場所は、「いつだって逆境、どこだって辺境」なのだから。
八巻美恵編『ジット・プミサク/中屋幸吉 詩選』(サウダージ・ブックス 1200円)
いただいて、集中して読むために場所を選んだ。これは、いつも仕事をしている机に向かって読むのは、ちょっとちがうな、と思わせる本だから。そして、一気に読んだ。窓から、解け残る雪が見える場所で。
1960年代のタイと、1960年代の沖縄と日本。生まれた年はちがうけれど、没年が同年というふたりの詩人を結びつける不思議な糸、いや、不思議ということばはあたっていない。それぞれの詩人の紡ぎ出したことばたちがならぶようすは、八巻美恵という編集人のたどる「ハワイ」への旅に導かれて読むとき、十分に必然的な気がする。
そして時代を突き抜けて、いま、読み手の深いところへ届けられるものたち。そこで立ち止まり、ときの重力から解放されて浮上することばたち。そう。怖れることはないのだ。人が生きる場所は、「いつだって逆境、どこだって辺境」なのだから。