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ケイン賞を受賞した短編「Hitting Budapest/ブダペストやっつけに」はパラダイスという地区に住む6人の子どもたちが、旋風のように通りを駆け抜け、グアヴァの実がなっていて、別の国みたいで、あたしたちみたいじゃない人が住んでいる「ブダペスト」をめざす話だった。バスタード、チポ、ゴッドノウズ、シボ、スティナ、それに、あたし。名前からわかるように、半端じゃなく過酷な生活をおくっている、この子どもたちのやりとりがまたすさまじい。まだ幼いのに妊娠している女の子までいる。旋風というのはその文体にもあらわれていた。すごくさらさらと読ませながら、こぼれおちた子どもたちをありありと描き出す文体なのだ。
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ブラワヨとはジンバブエの都市の名で、イヴォンヌ・ヴェラが住んでいたところだ。このペンネームには(前にも書いたかな?)大先輩の作家へのオマージュが込められているのだろうか。
そうだ、あのジュノ・ディアスが 'I knew this writer was going to blow up. Her honesty, her voice, her formidable command of her craft—all were apparent from the first page.' といった作家だということも忘れずに書いておこう。
アフリカ大陸からどんどん若い書き手が出てくる。