東京のカラス万歳! サンドラ・シスネロス/くぼたのぞみ訳
ずっと元気でいてね ギャングのカラス
用賀のカラス 代々木のカラス
新宿のカラス 渋谷のカラス
赤坂のカラス 仲御徒町のカラス
辰巳のカラス 高田馬場のカラス
千駄木のカラス 曙橋のカラス
ずっと元気でいろよ ギャングのカラス
ひとりでも ぐるになっても
ゴミ袋から
花嫁のヴェール剥がして
がんがん要求する
なんだってありだからね
Long Live the Crows of Tokyo by Sandra Cisneros
Long live the gangster crows
of Yoga and Yoyogi
of Shinjuki and Shibuya
of Akasaka and Naka-okachimachi
Tatsumi and Takadanobaba
Sendagi and Akebonobashi
Long live the gangster crows
solo and in collusion
lifting the bridal veils
from trash bags
and demanding
anything goes
4.23.12 Tokyo
4.19.12 San Antonio, Texas
© 2012 by Sandra Cisneros. All rights reserved. By permission of Susan Bergholz Literary Services, New York City and Lamy, NM and The English Agency (Japan).
translation © 2012 by Nozomi Kubota, all rights reserved.
*********************
2012年4月13日、東京は表参道の居酒屋「もくち」で来日したサンドラ・シスネロスさんと会った。
ずっと彼女の著作権を扱っているイングリッシュ・エージェンシーの澤潤蔵さんがもうけてくださった会席にかけつけてくれたのは、1992年このチカーナ詩人/作家をいちはやく日本に紹介した詩人の管啓次郎さん、拙訳『マンゴー通り、ときどきさよなら』を気に入ってくれた若い作家の温又柔さん。なんと彼女の小説『来福の家』のエピローグには『マンゴー通り』のある章からの引用が・・・。それぞれが長いあいだ温めてきた思いがはじけるような、とてもホットな、心に残る夕べだった。みなさん、どうもありがとう!
金曜の夜とあって、隣席からは爆竹がはぜるような笑い。傘をなくしたわたしは渋谷駅までの帰り道をサンドラと相合い傘、小雨ふる大通りを腕を組んで歩いた、忘れがたい夜。
そして数日後、帰国したサンドラから一編の詩が送られてきた。それがこの詩。管啓次郎さんとの競訳とあいなりました。「水牛のように」に書いた詩「マンゴー通りからきた詩人」とも響き合っています。Please enjoy!
ずっと元気でいてね ギャングのカラス
用賀のカラス 代々木のカラス
新宿のカラス 渋谷のカラス
赤坂のカラス 仲御徒町のカラス
辰巳のカラス 高田馬場のカラス
千駄木のカラス 曙橋のカラス
ずっと元気でいろよ ギャングのカラス
ひとりでも ぐるになっても
ゴミ袋から
花嫁のヴェール剥がして
がんがん要求する
なんだってありだからね
Long Live the Crows of Tokyo by Sandra Cisneros
Long live the gangster crows
of Yoga and Yoyogi
of Shinjuki and Shibuya
of Akasaka and Naka-okachimachi
Tatsumi and Takadanobaba
Sendagi and Akebonobashi
Long live the gangster crows
solo and in collusion
lifting the bridal veils
from trash bags
and demanding
anything goes
4.23.12 Tokyo
4.19.12 San Antonio, Texas
© 2012 by Sandra Cisneros. All rights reserved. By permission of Susan Bergholz Literary Services, New York City and Lamy, NM and The English Agency (Japan).
translation © 2012 by Nozomi Kubota, all rights reserved.
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2012年4月13日、東京は表参道の居酒屋「もくち」で来日したサンドラ・シスネロスさんと会った。
ずっと彼女の著作権を扱っているイングリッシュ・エージェンシーの澤潤蔵さんがもうけてくださった会席にかけつけてくれたのは、1992年このチカーナ詩人/作家をいちはやく日本に紹介した詩人の管啓次郎さん、拙訳『マンゴー通り、ときどきさよなら』を気に入ってくれた若い作家の温又柔さん。なんと彼女の小説『来福の家』のエピローグには『マンゴー通り』のある章からの引用が・・・。それぞれが長いあいだ温めてきた思いがはじけるような、とてもホットな、心に残る夕べだった。みなさん、どうもありがとう!
金曜の夜とあって、隣席からは爆竹がはぜるような笑い。傘をなくしたわたしは渋谷駅までの帰り道をサンドラと相合い傘、小雨ふる大通りを腕を組んで歩いた、忘れがたい夜。
そして数日後、帰国したサンドラから一編の詩が送られてきた。それがこの詩。管啓次郎さんとの競訳とあいなりました。「水牛のように」に書いた詩「マンゴー通りからきた詩人」とも響き合っています。Please enjoy!