大竹昭子さんの呼びかけで渋谷のサラヴァ東京に集まって、第1回ことばのポトラックが開かれたのは2011年3月27日のことだった。
3月11日の地震、津波、それに続く原発の爆発などなど、驚き、不安、怒り、哀しみ、身の置き所のなさ、無力感といったもろもろの感情にがんじがらめになっていたころのことだ。そのときの映像を見ると、ことばにたずさわる者たちが真剣に事態に向き合おうとしている姿に、いまもはっとなる。ことばで何ができるか、と自問する姿に心打たれる。
その後も「ことばのポトラック」はリレーされ、さまざまなかたちで続いた。(7月3日には、管啓次郎、南映子、くぼたのぞみの企画で第3回「ことばの橋を渡って」を開催。)
初回からほぼ1年がすぎた4月8日には、総集編ともいうべき第8回「詩と散文のあいだ」が開かれ、この1年間の記録が本になってお目見えした。
文字通り、もちよりのことばたちがぎっしり詰まった、すてきな煉瓦本である。大竹さんといっしょに編集に携わった詩人の佐々木幹郎さんが「仮設住宅のなかで土瓶敷きになる本を作れ!」といったそうで、表紙はお醤油をこぼしても大丈夫な紙が使われているとか。そのこだわりがすごい! デザイナーの方、編集の方、ご苦労なさったころだろう。
売り上げは、これまで同様、寄付にまわる。今回は前回とおなじ陸前高田の小中学校へ行くことになっている。
詳しくは版元の春風社へ。17日からはAmazonでも発売。
それから、それから、耳寄りなお知らせ。緊張感のあふれる第一回ことばのポトラック完全収録版に、DVDがついたのだ。
値段はおなじ1000円。
これは本屋さんではなくサラヴァ東京で扱っています。ぜひこの機会に!