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講師陣がなかなかの顔ぶれだ。ケニアからは2002年にケイン賞を受賞したビンヤヴァンガ・ワイナイナが、米国からはピュリッツァー賞の最終候補となったベストセラー作家デイヴ・エガーズと、カリブ海文化と米国黒人文化の深いつながりを書くマリー・エレナ・ジョンが参加。
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ナイジェリアは約10年前に軍政から民政へ移行した。その結果、壊滅状態とまでいわれた出版、ジャーナリズムが息を吹き返し、ここ数年は目をみはる活動が伝えられる。
その一端はアディーチェのような若い作家たちが、北側諸国の大学構内や出版サロン、自室に閉じこもることなく、独自に出版社を起こしたり、ワークショップを開いたり、「考える人」を育てる活動に惜しみないエネルギーを注いでいるからかもしれない。
アフリカでは「書くこと」が政治、経済、社会の活動に直結しているのだ。
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2008年10月28日北海道新聞夕刊に掲載したものです。