Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2017/11/26

「挑発的な」風のなかでほかほか

今日は朝から大勢で建物の周囲や芝生などの庭そうじ。日差しは暖かいけれど風は冷たく、緋寒桜の美しく色づいた黄色い葉を揺らしながら吹いていて、確実に冬が近づいているのを感じました。
 さて、人の心の温かさを試してくる挑発的な??その風のように😎──「挑発的」という表現でクッツェー『ダスクランズ』を的確に評してくれたのは、江南亜美子さんです。

「さあ行くぞ」。ちなみにこの掛け声は……冒頭一行目の言葉でもある──中略──作家クッツェーは、南アフリカの白人という自身のルーツにもかかわる物語を、三十歳にしてすでにこのように提示していた。ひと癖ある本作は、あくまで読者に挑発的で、まさにクッツェーらしさが横溢している。

写真は江南さんのtwitterから拝借しました
「本の雑誌」の12月号、「新刊めったくたガイド」のページに、いっしょに並んでいるのがこれまたすばらしい本たちです。ありがたきかな。寒風のなか心がほかほかします。
 
都甲幸治著『今を生きる人のための世界文学案内』(立東社)
・エンリーケ・ビラ=マタス著/木村榮一訳『パリに終わりはこない』(河出書房新社)
・ダニエル・デヴォー著/武田将明訳『ペストの記憶』(研究社)
・J・M・クッツェー著/くぼたのぞみ訳『ダスクランズ』(人文書院)