2016/04/20

クッツェーが選んだ「詩のアンソロジー」がやってきた!

「アリアドネの糸」という意味をもつアルゼンチンの出版社から出た分厚いアンソロジー:『51 Poetas Antología Íntima』──J・M・クッツェーが選んだ51人の詩人たち。古典から、比較的新しい時代の詩まで。無名の伝承詩もある。オーストラリアのアーネムランドの先住民に伝わるらしい歌「Moon-Bone Cycle/月の骨サイクル」(正直、どう訳したらいいのかよくわからないが、これを歌いながら「土地」のメンテナンスをするのだろうか)もある。

 左ページにオリジナルの言語、右ページにスペイン語訳がついている。下段の註もスペイン語。猫に小判とはこのことだけれど、ぱらぱらとめくっていくのは楽しい。スペイン語訳で出た12冊の「個人ライブラリー」の最終巻だ。前書き、註もクッツェーが書いたものがスペイン語に訳されている。贅沢な作りで、分厚い。600ページもある。シャルル・ボードレールは「Spleen 1-4」が選ばれている。もっぱら都会生活の憂鬱を謳う詩だ。アルチュール・ランボーは「酔いどれ船」か。ふむふむ。

10日ほど前、ゲラ読みの合間をぬって都心まで行ってきたのだ。しかし、あの日はちょっとくたびれて帰りの電車で貧血になってしまったけれど、なんとか家にたどりついた。でも、しっかり受け取ってきたのだ。はるばる運んでくれたKさん、Muchas gracias!