2014/07/08

ジョンとポールの往復書簡集『ヒア・アンド・ナウ』のゲラが届く

さて、今日からまたゲラ読みの日々だ。

 クッツェーとオースターの往復書簡集の初校ゲラがどさりと届いた。どさり、といっても三部作にくらべると、六分の一ほどの量だから、ぱさり、くらいかもしれない。

 それでもゲラはゲラだ。一行一行、目を凝らして読む。ことばをあれこれ調整しながら、文章を作っていく作業は、楽しいけれど肩も凝る。凝りをほぐすために、夕方からはワインタイムとあいなる。
 この湿気の多い季節は、以前ならビールが最髙に美味しい時期だったのだけれど、冷たい飲み物を多量に飲むことが御法度となってからは、もっぱら軽く冷やした白ワインだ。
 
 先日、ジョンとポールがアルゼンチンで行った朗読を三部に分けて見ることのできるサイトを見つけたので、それを聴きながら、見ながら、ゲラを読むのはなかなか楽しい。といっても、彼らは、本にした手紙をそのまま読んでいるのではなくて、あちこち削って、繋いで、うまく朗読テキストを作り上げているので、ゲラとは一致しない。
 それでも、二人が交わすことばのリズム、口調、気持ちの片鱗のようなものはびんびん伝わってくるので、翻訳をしあげるにはとても参考になる。