Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2009/11/19

11月の断章

鉄の時代に、
敷居をまたげないファーカイル、
生と死の境界にいるミセス・カレン、
Yes / No で答えられないもの。
子どもたちにむかって
「ダメ! 生命を大切にしなさい!」と叫ぶカレン。
現実には決して届かないことばたち。

「現実のむごさを虚構で凌駕したい」がために小説を、激しい小説を、書く──といったのは、桐野夏生だ。
             
リチャード・ブローティガンは、しかし、軽やかなことばで
「現実のむごさ」を凌駕する作品を書いた。
 思いがけないことばの連なりによって…。