「アフリカは遠いか?──その1」
木の葉が色づきはじめ、もうすぐ秋もたけなわ、といった感じですが、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの『半分のぼった黄色い太陽』の翻訳もいよいよ佳境に入ってきました。
読者のみなさまにお届けするまでには、もう少し時間がかかりますが、最近のアディーチェの横顔を伝える動画がありますので、ご紹介します。
話の内容は「 The danger of a single story/シングル・ストーリーの危険」というタイトルによくあらわれています。
「アフリカ」というと饑餓、貧困、紛争、サファリ、野生動物、エイズで死んでいく人びと、とステロタイプなイメージしか持たない北側の人間の横柄さ、そして、それを許している世界のメディアに切り込む彼女のことばが新鮮です。ものごとを片面からしか見ようとしない人間の視野の狭さを、その危険性を、アディーチェはみずからの体験をふまえて、縦横に語っています。
軽くのぞいてみてください。ここです。ときおり笑顔を見せながら、野太い声と平明なことばで、説得力にみちたスピーチを聞かせてくれます。
ステロタイプを笑い飛ばす彼女の快活さに拍手! 笑い飛ばしながら、鋭い指摘をいくつもする知性にも拍手! まあ、拍手ばかりしてもいられないのですが・・・ね。