Elizabeth Costello : I believe in what does not bother to believe in me.──J. M. Coetzee

2012/01/04

2012年はどんな年に?

今日はケープタウンで仕入れたワインを飲みながら、62歳の誕生日をすごしています。女性が年齢をおもてに出さない時代はとうにすぎた、と思っていたら、また最近そのような風潮が、という感じがしていますが、どうなんでしょう?
 チママンダ・ンゴズィ・アディーチェは「若い、若い」といわれるのにうんざりして、年齢相応に見られるのがいちばん嬉しい、と書いていました。同感です。わたしもずっと前からそう思っていました。人に歴史あり、なんですから。その歴史を隠したりしたくない。

 さて、この人もすてきに歴史の刻まれた声と歌をとどけてくれた人でした。セザリアの歌を聴いてはじまる2012年は、いったいどんな年になるのでしょうか?

 私個人としては、チママンダ・ンゴズィ・アディーチェの第二短編集を 3月に刊行予定!
 秋には、ケープトニアン訛りがたくさん出てくる、ゾーイ・ウィカムの『デイヴィッドの物語』を出したいと思っています。ケープタウンから帰って、この物語はほんとうにすごい作品だということを実感。クッツェーが「tremendous achievement/途方もない偉業」と最大級の讃辞をよせた意味を、あらためて痛感しています。

 さらに、今年はその J・M・クッツェーの自伝的三部作『少年時代』『青年時代/YOUTH』『サマータイム/SUMMERTIME』の翻訳作業に本格的に取り組みます。ケープタウンの旅でえた情報や土地感覚などが、ウィカムやクッツェーの作品世界を深く理解するためにどんと背中を押してくれています。ありがたい!

 暦が変わっても、たんたんと作業をつづけるのみです。今年もどうぞよろしくお願いいたします。