2024/11/21

マリーズ・コンデ『心は泣いたり笑ったり』が白水Uブックスに

『心は泣いたり笑ったり』(白水Uブックス)、発売です。

 単行本として青土社から出たのは、22年前の2002年12月で、年が明けて翌年の2月にマリーズ・コンデが3度目の来日をしました。そのときチラリとお会いしました。そのエピソードも、今回は訳者あとがきに代えて「さよならマリーズ、いつかまた」に書きました。

奴隷制の遺産を
体を張って逆照射した作家は
こうして生まれた

 この帯の文言は、訳者があれこれ書いたフレーズから、編集のSさんが上手くアレンジしてくださったものです。

 カバーに使われた写真は、原著や最初の単行本に使われていた少女時代のものではなくて、コンデが『セグー』を書いてヒットしたころのものです。最初は原著の写真を、と思っていたのですが、あれこれあって……。

 でも、こうしてみると、本を手に取ったときに含みのあるこの表情を、ついついじっと見てしまうので、かえってこの写真になってよかったかなと。

 とにかく、22年も前に出て長い眠りについていた訳書が、こうしてまた新しい読者の手に届けられる、それは書物という形があってこそではないか、と思うのです。

 書物、万歳!