『心は泣いたり笑ったり』(白水Uブックス)、発売です。
単行本として青土社から出たのは、22年前の2002年12月で、年が明けて翌年の2月にマリーズ・コンデが3度目の来日をしました。そのときチラリとお会いしました。そのエピソードも、今回は訳者あとがきに代えて「さよならマリーズ、いつかまた」に書きました。奴隷制の遺産を
体を張って逆照射した作家は
こうして生まれた
この帯の文言は、訳者があれこれ書いたフレーズから、編集のSさんが上手くアレンジしてくださったものです。
カバーに使われた写真は、原著や最初の単行本に使われていた少女時代のものではなくて、コンデが『セグー』を書いてヒットしたころのものです。最初は原著の写真を、と思っていたのですが、あれこれあって……。
でも、こうしてみると、本を手に取ったときに含みのあるこの表情を、ついついじっと見てしまうので、かえってこの写真になってよかったかなと。
とにかく、22年も前に出て長い眠りについていた訳書が、こうしてまた新しい読者の手に届けられる、それは書物という形があってこそではないか、と思うのです。
書物、万歳!