手紙は、パク・ミンギュが「ブローティガンとの決闘」でどんな落とし前をつけたかで結ばれました。虹色の「うんこ」をした主人公が(なぜ虹色かは読んでね!)それを粉末にして首からかけていたが、それをブローティガンに飲ませるなんて、もうどういったらいいのかわからない話ですが、そこにはきちんと韓国と米国の微妙な関係も書かれていました。最終回の斎藤真理子さんのお手紙、みごとに決まりましたね。
1年間、お付き合いくださって、真理子さん、どうもありがとうございました。編集の2人のKさん、本当にお世話になりました。読んでくださった読者の方々に深く感謝します!
そして、そして。今月号では小野正嗣さんがJ・M・クッツェー『スペインの家 三つの物語』(白水社)の書評を書いてくださってます。同時代作家としてのクッツェーの最も重要なポイントを指摘し、人間クッツェーと作家クッツェーへの敬意と愛が溢れる、とても丁寧で心温まる評です。拙著『J・M・クッツェーと真実』のタイトルが「クッツェーの真実」ではなく「クッツェーと真実」であることの含意にも触れられていて、読んでいて身が引き締まる思いがしました。 小野さんがロンドンでクッツェーに会ったシンポジウムの話がとても印象的です。そのときクッツェーが『スペインの家』の二つ目に収められた「ニートフェルローレン」を朗読するのを、小野さんは直に聞いていたんですね。
小野さん、どうもありがとうございました。