2012/11/09

愛はすべてを赦す──加藤登紀子と坂本龍一

昨夜、八巻美恵さんがママをやる、スタジオイワトの「新月バー」に飲みに行ったら、ハレハレバンドなる3人組がやっていた曲、それがクルト・ワイルの「三文オペラ」黒テントバージョンだった。なんとも時代を感じさせる選曲と歌詞!(ちなみに今回のバーは、チイママが岸本佐知子さんだった!)

 それで思い出したのがこれ! LPのレーベルに記された年代が、1982年。なんと30年前ではないか。歌うは30代後半の加藤登紀子、バックのピアノはこれまた若き坂本龍一。そして発見。ワイルの曲の訳詞がなんと高橋悠治さんだったのだ!

 さて、そのレコード盤をひさびさにLPプレーヤーに置いてターンテーブルをまわし、針をのせた。あら〜〜〜〜! ばりばり、びりびりという音がやまない。そうか、このLPはまだ子どもたちが小さいころ、ずいぶん聴いたんだった。とくにA面最後のアップテンポの曲「唯ひとたびの」(映画「会議は踊る」より)がかかると、就学前の3人の子どもたちが、歌詞の意味などちんぷんかんぷんながら、わいわい行進曲風に輪を描きながら踊りまくったのだ。というわけで針飛びはげしく、当然ながら、LP盤には無数の傷がついた。そしてこのひどい音割れ。


いたしかたない、CDを買おうか、どうしようか、迷うなあ〜〜
ちなみにわたしの一番好きな曲は、なんといってもA面の2曲目、「今日は帰れない」です。

作者不詳/訳詞:加藤登紀子   (ポーランド パルチザンの唄 1930年代)

 今日は帰れない 森へ行くんだ
 窓辺で僕を見送らないで
 君のまなざしが闇を追いかけ
 涙にぬれるのを見たくないから
 涙にぬれるのを見たくないから
 
 遠くはなれても 忘れはしない
 君のもとへいつか戻って来たら
 真昼だろうと 真夜中だろうと
 熱い口づけで君を狂わすよ
 熱い口づけで君を狂わすよ

 もしも春まで 帰らなければ
 麦の畑に種をまくとき
 僕の骨だと思っておくれ
 麦の穂になって戻った僕を
 胸に抱きしめてむかえておくれ