2009/08/10

白い肌のテロリスト──ブライテン・ブライテンバッハ

南アフリカ出身の詩人、画家として60年代から世界に知られるブライテン・ブライテンバッハが、アフリカについて縦横に語るサイトがあります。

 1939年にウェスタンケープでアフリカーナー(オランダ系)として生まれた彼は、60年代にパリに移り住み、そこでベトナム系フランス人と結婚、帰国すれば当時のアパルトヘイト体制下の異人種間結婚を禁止した法律に触れることになり、反アパルトヘイト運動に深くコミットしていきます。1975年に偽造パスポートで南アへ帰国した彼は、逮捕されて、国家に対するテロリズムという罪で7年間投獄されました。その経験を書いたのが『The True Confessions of an Albino Terrorist/白い肌のテロリストの真実の告白』(1984)です。

 2008年12月末「デモクラシー・ナウ」に登場したブライテンバッハは、アパルトヘイト解放後の南アフリカの現況について、国家崩壊に近いジンバブエについて、ソマリア沖の海賊について、ダルフールについて、アンゴラやコンゴについて、さらにはイスラエルとパレスチナについてまで、包括的に、なにが現状を引き起こしているのか、どのようにすれば紛争は解決に向かうか、核心をつくことばを語ります。

アフリカ各地の出来事は、断片的な情報を日々追いかけているだけではなかなか理解できないことが多いのですが、彼の語りを聞いていると、おおざっぱながら、アフリカについてひとつの全体像が見えてくるように思えます。

 フランスの市民権をもつ彼は、現在、ダカールとニューヨークを往還しながら暮らしているそうです。

 お薦めのサイトはここです!! 英語が得意な方はこちらへ!

 最後の部分には、昨年イタリアで公演中に心臓発作で亡くなった「ママ・アフリカ」ことミリアム・マケバが、国連で行なった反アパルトヘイト演説が収録されています。また、一世を風靡した曲「パタパタ」や、「カウレーザ」などの歌も聴けます。お楽しみください!!