2022/03/24

「世界」と思っていたものは

3月22日(火曜日)の東京新聞夕刊に掲載されたコラム「海外文学の森へ 27」で 『「その他の外国文学」の翻訳者』(白水社)を紹介しました。多くの人に読んでいただきたい内容なので、ここにもアップします。

 担当編集者のHさんがつけたタイトル:「世界」と思っていたものは──が秀逸です。


これ以上クリアな画像にならないのが残念ですが。

2022/03/16

今日はヒヨドリ

今日は緋寒桜にヒヨドリがやってきた。

 ウクライナで起きていること、ロシアで起きていること、SNS上のニュースを追いかけてばかりいる。

  沼野充義・沼野恭子編訳『ヌマヌマ』(河出書房新社)から、ミハイル・シーシキンの作品「バックベルトの付いたコート」を読んだ。

 母親がウクライナ人、父親がロシア人だったシーシキンは、いまの戦争を両親が生きて体験せずによかったと語っていた。それを読んで、アミラ・ハスがパレスチナの現状について、まったく同じことを語っていたのを思い出した。もう何年も前のことだけれど。

アミラ・ハス──私の両親は生きてこれを見ずにすんで幸運だ


2022/03/13

メジロがやってきた

 昨日と今日はポカポカ陽気で、春うららと言いたい気分になる。今日は朝から、ぴいぴいぴいと賑やかなさえずりが聞こえる。窓の向こうをみると、濃い桃色の花がふくらんで、いよいよ咲くかな、咲くかなと思わせる緋寒桜。

「経済効果」だかなんだか知らないけれど、ここ数年やたら枝を伐られる木々たち。それでもやってくる鳥たち。それを待っている人たち。

 今朝はメジロがやってきた。スマホなんか持ってないので、古いデジカメで手ブレを防ぎながらようやく撮ったメジロ。緋寒桜のふくらんだ蕾をしきりについばんでいる。

 メジロはウグイス色で、ウグイスは渋い灰色、というのは実際に鳥を見てあらためて気づいたことだった。もちろん、すべて東京にきてから得た知識だ。蘇芳色なんてのも、22歳か23歳のころ知った「外国語」に近い感覚の、「内地」でしか目にできない色を示すことばだった。

 今朝の朝日新聞「折々のことば」に、『山羊と水葬』が引用されていた。「サイロのある家」から。あれは窓ガラスを拭いているときの話だったな。


2022/03/09

第73回読売文学賞贈賞式のためのスピーチ

 白水社のお知らせサイトにアップされました。

『J・M・クッツェーと真実』読売文学賞贈賞式スピーチ


残念ながら、2月15日に帝国ホテルで開かれた贈賞式には出席することができませんでしたが、代理に編集の杉本貴美代さんが、その場でスピーチ原稿を読み上げてくださいました。杉本さんにはお世話になりっぱなしでした。心からの感謝を!

2022/03/08

パウル・クレーのカレンダーがきた

 2月はいろいろあって、思い出すだけでも背中が痛くなりそうな、怒涛の日々が続いた。そして背中ではなく、なぜか左膝が痛くなった。

こういうときは好きなものを身近に引き寄せること、それで急に思い立って、パウル・クレーのカレンダーを注文した。2022年のカレンダーをいまごろ注文する人もめずらしいか、と思いながら、目的はクレーの絵をカジュアルに壁に飾ることだから、これでOKなのだと自分に言い聞かせる。

あっという間に届いたカレンダー、さっそく飾った。とにかく好きなのだ、パウル・クレー!

 3月は、片目でウィンクしてるみたいなこの絵です。