2010/02/21

ああ、Abbey Road!

19歳だったと思う。ビートルズのLPアルバムを買った。「Abbey Road」。私としては2枚目のビートルズ。
 東京に出てきて、まだステレオセットさえないのに、たまらなく聴きたくなって購入。それで、週に一度たずねる用があった友人の家に置いてもらって聴いていた。その友人もいまは亡い。 
  先日、そのアビーロード・スタジオが売りに出されるという記事を読んだ。スタジオへ向かう歩道で撮影されたジャケット写真では、ポールだけが裸足で、ひょっとするとポールはもう死んでいるのではないか、とあらぬ噂がまことしやかに飛び交ったのも、なんだか懐かしい。
 そのジャケ写真を模写した、しぶ〜いカートゥーンが南アフリカの新聞に載ったので、ご紹介します。

 「2010、自分の音楽は自宅で録音しなさい」という時代ね!

 (写真をクリックすると大きくなります。)
 

お知らせを2つ──ハイチ地震報告会とドベ・ニャオレ再来日

まず、長年ハイチに通って取材し、本を何冊も書いてきたフォトジャーナリスト、佐藤文則さんの現地取材報告会があります。参加無料ですが、事前申し込みが必要です。佐藤文則氏の写真展も開かれているようです。

<現地取材報告会・震災後のハイチ報告>
 主催:かながわ国際交流財団
 とき:3月7日(日)13:30~15:30
 場所:かながわ国際交流財団 あーすぷらざ 映像ホール

詳しくは、こちらへ!


もうひとつは、ドベ・ニャオレのパフォーマンス。こちらはちょっとお金がかかります。

<フランコフォニーフェスティヴァル2010>。

 日時:3月21日(日)
 場所:飯田橋の日仏学院
 
 ドベが出演するのは、19時から21時、場所は「庭」!

詳しくは、こちらへ!

2010/02/13

Summertime を朗読するクッツェー動画

クッツェーが最新作の「Summertime」から朗読するショートフィルムがあります。ちいさな吊り橋の上で、草原で、自作を読むクッツェー。



 朗読するテキストは、最初の章から。BBCに流れた部分と重なりますが、原文そのままではなく、省いたり、繋いだりして読んでいます。

 お楽しみください!

2010/02/09

今日は、J・M・クッツェーの誕生日!

朝パソコンを立ち上げると、google のサイトが夏目漱石の顔と猫のデザインになっていた。今日、2月9日が誕生日だそうだ。

 しかし2月9日はまた、ケープタウン生まれの J・M・クッツェーの誕生日でもある。1867年が夏目漱石の生まれた年、1940年が J・M・クッツェーの生まれた年。ふうん、そうだったのか。

 東京生まれの漱石が1900ころの倫敦/ロンドンへ留学して、まずいオートミールに顔をしかめたようすを思い浮かべるのも面白いし、はるか南の旧植民地生まれのクッツェーが、1960年代初めに逃げるようにして行った、アンウェルカムなロンドンで、苦い青春時代を送ったようすを想像するのも面白い。
 
 60年ほどの時間の差はあるものの、2人とも船でロンドンへ行ったのだ。ちょっと頭を冷やして考えると、それからさらに60年がすぎるあいだに起きた、時間と距離のめまぐるしい変化は圧倒的だ。たとえば、いまから60年前の日本の暮らしを想像してみてほしい。

 ゆっくり行きたい。熱烈願望、ゆっくり生きたい。熱烈歓迎、ゆっくり、ゆっくり!

 そして、この2人のもう一つの共通項は、めちゃくちゃ乱暴なくくりではあるが、おそらく、「ひきこもり」! そして「分身/ダブル」。

2010/02/06

Hope For Haiti Now ── 2つの動画

ハイチ出身のミュージシャン2人の熱唱を!!

まずは、われらがハイチの歌姫、エムリン・ミシェル/Emeline Michel "Many Rivers To Cross”

これからどれほどたくさんの川を渡らなければならないのか・・・でも、渡る、私は渡る、と。


そしてもう1人は、ウィクラフ・ジャン(ワイクリフ・ジョン)/Wyclef Jean "Rivers of Babylon" / "Yele"

Wyclef Jean がハイチクレオールで語り、歌う2曲目の Yeleは、もう完全にカーニヴァル! バンド全体が「バン・ア・ピエ」になって・・・。
圧巻です!

あんな地震が起きていなかったら、2010年の「灰の水曜日」は2月17日だから、本来なら、いまごろハイチでは年に一度のカーニヴァルの準備も、最後の仕上げに熱が入っていたはず。

2010/02/05

Na Afriki ── ドベ・ニャオレ


「Na Afriki」。ここ数日、聴いているアルバムです。

 コートディヴワール出身のDOBET GNAHORE/ドベ・ニャオレ。泣きの入らない、ゆたかで、乾いた温もりのある声です。パワフルで。ふうっと広いところへ出たような気分になりますね。
 歌詞はディダ語(コートディヴワール)、ウォロフ語(セネガル)、マリンケ語(マリ)、コサ語(南アフリカ)、フォン語(ベナン)、ゲレ語(コートディヴワール)、リンガラ語(コンゴ)とさまざま。パワフルなことばを独特のリズムにのせて歌います。踊ります。ネット上の映像を観ると、ものすごい迫力のダンス。圧倒されます。めちゃ、いいです!


最近の音楽情報は、管啓次郎さんのブログや清岡智比古さんのブログから情報をいただくことが多いのですが、この日は、超おとく情報をいただきました! 感謝です。

http://tomo-524.blogspot.com/2010/01/dobet-gnahore.html

2010/02/01

Brother, I'm Dying ── エドウィージ・ダンティカ著

2007年に出たエドウィージ・ダンティカの本です。いま書評を書いています。

 ダンティカはハイチで生まれ、12歳のときにニューヨークへ渡った人です。家族間ではハイチ・クレオールを話し、小学校からフランス語で学び、ニューヨークに渡ってから英語で学んだ人。移民した米国で、学校と暮らしのなかで獲得した、彼女にとっては三つ目の言語で書く作家です。

 ハイチで生きる人びと、ハイチから出て生きる人びと、の内実を知るには格好の書です。

*************
2月24日追記:アップされました。あるいは、こちらへ