2017/03/21

デイヴィッド・アトウェル──切り抜き帳(3)

今日も1日、雨の降るなか、みっちりとデイヴィッド・アトウェルの著作を読んでいた。第1章はこれで三度目。読むたびに発見がある。とりわけ、『ダスクランズ』の訳者あとがきの参考になる部分には、何重にもアンダーラインを引いてしまう。

<南アフリカによってデフォルメされたぼくの人生>

この第1章に出てくる写真は衝撃的だ。サイモンズタウンのゴルフコースに植えられた松の木。写真のように、松の木は大西洋から吹きつける強い風によって、激しく傾いて、変形し、醜悪なかたちをさらしている。サイモンズタウンはケープタウンの中心部から半島を南下した、東側のフォールス湾に面した軍港。クッツェーはこの木のようすを、自分が少年時代にヴスターで受けた教育と重ねあわせている。

──これから書こうとしていた内陸のヴスターで子供時代をすごした何年かを振り返りながら、彼(クッツェー)はノートブックにこう書いた。「形を歪ませること。南アフリカによって、年を追うごとに、形を歪められたぼくの人生。エンブレム:サイモンズタウンにあるゴルフコースの形を歪められた樹木」

──Looking back on the years of his childhood spent in rural Worcester that he was about to describe, he wrote in his notebook: ‘Deformation. My life as deformed, year after year, by South Africa. Emblem: the deformed trees on the golf links in Simonstown.'